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サッカー情報

Jリーグチャンピオンを追い詰めた
高校生たち



サッカーの世界では大番狂わせのことを、「ジャイアントキリング」と呼びます。2003年の天皇杯、当時のJリーグチャンピオン横浜F・マリノスを、あと一歩まで追い詰めた市立船橋高校の戦いぶりは、これまで誰も見たことのない、日本サッカー界における最大のジャイアントキリングを予感させるものでした。

名門・市立船橋高校の番狂わせ

名門・市立船橋高校の番狂わせ

千葉県にある高校サッカーの名門・市立船橋高校、通称「市船(イチフナ)」。前年の高校サッカー選手権で優勝した強豪校で、この年も増嶋竜也選手やカレン・ロバート選手といった、後のJリーガーを多数擁していました。史上最強とも言えるメンバーで挑んだ2003年度の天皇杯、初陣の相手はJ2リーグのザスパ草津でした。天皇杯の特徴は、何と言ってもプロ・アマ混合のトーナメントであるということであり、プロと高校生が試合をすることもあるのです。この試合で、プロチームを相手に1-0で勝利を収めた市船に対し、多くのメディアやファンは惜しみない称賛を送りました。しかしこの時点ではまだ、市船のこの後の戦いぶりを想像できた人は、少なかったことでしょう。

絶対王者横浜F・マリノス

絶対王者横浜F・マリノス

市立船橋高校は、2回戦でも格上であった阪南大学との対戦を勝ち抜くと、次の相手は横浜F・マリノスでした。マリノスはこの年、まだ2期制だったJリーグで前期・後期ともに優勝という、完全優勝を成し遂げ、各世代の代表選手7人を擁する絶対王者でした。会場はマリノスのホームスタジアム、横浜三ツ沢競技場。Jリーグ王者がホームで迎える高校生との試合は、勝敗が明らかだと思われました。会場に訪れた観客が、わずか7,887人しかいなかったことも、この試合の注目度の低さを物語っています。しかし、この日会場を訪れた7,887人は、想像していたものとは全く違った試合を目にすることになったのです。2003年12月14日、その長い戦いの始まりを告げるホイッスルは鳴らされました。

Jリーグ王者を脅かす高校生たち

Jリーグ王者を脅かす高校生たち

市立船橋高校の石渡監督が、試合後に「緊張感とふわふわした感じがあった」と語ったように、試合の立ち上がり、浮き足立った市立船橋の選手たちは立て続けにゴールを奪われます。前半4分にゴール前の混戦から先制点を奪われると、その2分後には追加点を決められ、早々に決着がついたかに見えました。しかし市船の選手たちは、まだ諦めてはいませんでした。

前半を2点差で折り返した後半、落ち着きを取り戻した市船の選手たちは果敢に攻勢に出たのです。マリノスの選手たちは、次第に余裕を失っていき、後半20分にキーパーのミスから市船の増嶋選手にゴールを許すと、流れは一気に市船に傾きます。後半39分、カレン選手の突破から田中恒太選手にゴールを割られると、高校生を相手に追いつかれたマリノスには動揺が走り、ミスを連発していきます。

全力で戦い抜いた市立船橋高校

全力で戦い抜いた市立船橋高校

しかし、後半40分、再び潮目が変わります。増嶋選手が自陣で転倒したプレーがシミュレーションと判断され、2枚目のイエローカードで退場となったのです。それでも諦めることなく走る市船の選手たちは、後半の残り5分と延長戦の30分間、限界を超えてゴールを死守したのです。結局市船はPK戦で力尽き、勝利はマリノスのものとなりました。しかし試合後、観客たちは「イチリツフナバシ!」と声を揃え、この日の主役を讃えたのです。死闘を終え、スタンドへ挨拶に向かう市船の選手たちは、笑顔でこの大コールに応えたのでした。